強さ故に、孤独
歩く。
ただ道のように広がった屍の上を。
迷いも無く。
迷う感情も無く。
目の前にいる生命を根絶やしにする。
この身体が朽ちるまで。
神が命ずるがまま、崩壊への道を拓く。
神に導かれ、人々の前を行く。
そして気付くと、もう戻れない日々が目に映る。
あの頃は平和だったと、戻りたいと願っても、
願いを叶える神は亡く、先を急ぐだけの自分がいる。
帰りたいと思う場所は、今や戦場。
戦場だけが己の存在を証明できる。
共に戦った仲間はいなくなった。
彼等は神に導かれる道を外れ、眠りについた。
今、隣を歩く男も、何時かは消えてしまうのだろう。
彼も私も、感情も無く人々を切り伏せた。
何時かは報いを受けるのだろうかと、彼に問えば
報いを与える神は存在しないと笑った。
報いを与える神がいるのなら、我々の前を行く
無情な神は何故報いを受けていないのかと。
だが、私は知っている。
無情な神が報いを受けるとき、
我々もまた、共に堕ちて行くのだという事を。
そして、私達は真っ暗な暗闇に迷い込む。
ここまでお付き合いくださり、有難う御座いました。
リライト様に借りたお題です。 後書きという名の言い訳 .
いつぞや、日記で描いたものです。