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最期のその時迄

 

 

 

 

アームロック。
昔ながらの町並みと、煉瓦造りの家が特徴的な平和な街。
しかし、今まさに十賢者と光の勇者との戦場になろうとしていた。

 

全てを支配し、ただ滅ぼすために存在する十賢者。
世界をかけて、ただ一つの希望として闘う勇者達。
 

漆黒の甲冑に身を包み、剣士は思う。

我々も、彼らのような“希望”として期待された時代があった、と。

勇者は叫ぶ。
 「貴様・・・。許さない!」
叫ぶ勇者に対し、漆黒の賢者   メタトロンは静かだった。

 

「許さない」。
どれだけの人がその思いを抱いただろうか。
そしてどれだけの人がその思いを晴らせただろうか。
我々は“許さない”とうい想いの結晶なのかもしれない。
ネーデ政府は反乱を企て、平和を乱すものに。
ランティス博士は娘を奪った全てのものに。

同じ想いを抱き、我々を造ったのだろう。

 

    それがどうした。

 「許さなければどうだというのだ?
  貴様等とて、今まで数多くの命を奪ってきたのだろうに?」
その思いが晴らせるのは力が有る者だけ。
そう、力。
それが間違いだと気付いていても、どうにもならない。
この人間達だって気付いている。
力が有れば良い。

 「それは、おまえ達の方が悪いからじゃないか!」

そんな答えが返ってくるだろうと思った。

 

人は自らの過ちを認めようとはしない。
もとより認めていれば、我々のような兵器は生まれはしない。

 

 

どちらが正しいかなど関係ない。
歴史は勝った方を正義と認めるのだから。

美しき世界。
美しき理想。
その影にあるのは何よりも醜い犠牲の山。
 

 

 

 

 

     後書きという名の言い訳     .

ここまでお付き合いくださり、有難う御座いました。

 

『某歌詞で10のお題』、メタトロン編でした。
テーマは「鮮やかな理想はたやすく遂げられない犠牲はつき物で」
でした。
死に際は書けませんでした。
最近賢者殺しすぎだと思いまして。
半端なまま終わりました。