いつまでも一緒にいよう すべてのものを共にしよう
…そう誓ったのは何時のことだったのだろうか
 

 

 

clown

 

 

 

 

いつもの場所で、いつものように、彼と話をしている。
艶やかに笑う彼を見て体が熱くなるのを感じながら、心は全く逆に冷えていく。
それを自覚しながら、私もいつものように振る舞っている。

 

纏わり付くような眼差しで いつも僕を見るね
その度増してゆく 苛立ちに君は気づかないね

 

どれだけ普通に振る舞っても、全てを隠せるわけではない。
気が付かないフリをしていても、彼も私の刺すような視線を分かっているはずだ。
それとも、本当に気づいていないのか。
彼は何も変わらない。

 

いや、変わってしまった。
私の中に“ランティス”が埋め込まれてから。

 

全てはあそこから、変わってしまったのだ。

 

 

 

 

刺すように、俺を見つめる。
その目は明らかに俺を嫌っている。
俺にだけ向けられる、その目。
あんたが何を求めているか位ちゃんと分かっている。

 

 

 「愛してる」

 

 

道化師が指差した方角を歩いている 行く先は彼のみぞ知る
二度とは戻らない関係にすがっている 君に今最後の言葉

 

 

 

 

何度も肌を重ねた。
愛していた。故に、彼だけに許したその行為。

いつしか、互いを貪るように重ねあっていた。
全てはとうの昔に終わったこと。

 

 

 

月日を重ねれば 今よりも僕を求めるよね
その度堕ちて行く自分さえ 君は気づかないね

 

 

眠った彼に問いかけてみた。

 「君は、誰を愛しているのだろう? 私は、誰を愛しているのだろう?」

反応は無い。当然のことだったが、何故かほっとした。
私は彼を理解できず、彼もまた私を理解できないのだろう。
 

こんな気持ちなど、世界と共に消えてしまえばいいのに      

 

道化師が指差した方角を歩いている 行く先は彼のみぞ知る
生き止める細い腕 苦労を物語ってた 判決が照らす

 

 

 

 

 

 

「ミカエル、君の今回の任務は     

ガブリエルは書類を片手に賢者たちに命令を下していた。
それは賢者達にとって、普通の事であり、存在を示すため日常だった。
彼らの主は不滅、変わることの無い存在意義。

 

 

しかし、ミカエルだけは、彼だけは分かっていた。
全ての意味が変わってしまったことを。  

 

 

 

あんたは気づいていない。少しずつ“ガブリエル”が“ランティス”に侵食されていることを。
最早、俺の愛した“ガブリエル”はいない。
それさえ気づかずに俺の全てを求めている。

 

俺に出来ることは最初から無かった。
消えていくあんたを見ているしかなかった。

俺は命をかけてあんたを守る。
あんたの口を借り、人格を侵食し      全てを支配しているのが道化師だと知っていても。
ここから先が死地になろうとも。

 

 

道化師が指差した方角を歩いている 逝く先は彼のみぞ知る
抱くほどダメになる事まで解っていた 判決が照らす

 

 

 

 

 

 

不意に、二人の目が合った。

 

 

 

 

 

 

泣いている。
それは私。
(私?・・・あぁ、アレは)
ガブリエルが泣いている。

 

 

 

 

ランティスが微笑んだ。
 「このまま、演じ続けてあげようか?」

 

もう少し演じていれば 君の願いを上辺だけなら 叶えてあげられた
濡れた瞳と震える肩を 感情を持たずただ眺めていた

 

 

ミカエルが首を横に振る。
 「誰であろうと、守り続けるだけだ」

 

 

もう少し演じていれば 君の願いを上辺だけなら 叶えてあげられた
酷くぼやけた後姿を 感情を持たずただ眺めていた

 

 

 

 

 

      俺の全てで演じ続けよう。たとえ、この想いがあんたに届かなくとも

 

 

 

 

     後書きという名の言い訳     .

某曲の歌詞より引用

 

あぁ、長い。
今回もかなり長くなりました。要するに、間を取りすぎてるんですよね(ボソ)
色の付いているのが歌詞の部分です。ガブ=茶、ミカ=赤ですよ。
歌詞カードがないんで、勝手に漢字を変換してたりしますけどね。
まともなミカエルなんて、俺の中に生息していないものだと思っていました。
意外にいるものですね。

ランティスファンの皆様、御免なさい。かなり悪役になってますね。。
基本的に彼はこんな扱いです(死)