4.天地創造

 

 

 

 

崩壊紋章が浮かぶ、その下にはガブリエルが立っていた。
「もうすぐだ、もうすぐ・・・・」
彼はここ最近このような状態だ。
ガブリエルは笑いながら繰り返す。まるでそれが呪いの言葉のように。

 

「チッ・・・・アイツは何時まであのままでいるつもりなのだ!」
怒りを露わしたルシフェルは壁を殴りつけた。
「お気持ちは分かりますが、私達は従うだけです」
ハニエルは持ってきた書類を置きながら言うと、一緒に来たミカエルの方を見た。

ミカエルはガブリエルと何かを話している。その顔は面白くないのが一目で分かる。
しかし、ガブリエルは他の賢者と話している時とは打って変わって楽しそうだ。
その変化に不信感を抱いたのはルシフェル。
「ハニエル、なぜミカエルは我々と扱いが違う?」
ルシフェルはガブリエルを睨みつけながら問う。
「それは・・・・解りかねます・・・・」
答えたものの、ハニエルの顔は曇っていた。

「どうした?」
普段、あまり感情を表さないハニエルが表情を変えたことにルシフェルは驚いた。
ルシフェルの顔を見て、ハニエルは自分の表情が変わっていたことに気づいたのだろう。
いつもの無表情に戻る。
「大した事ではないと思うのですが、最近ミカエルの様子が少しおかしい様な気がしまして」
「おかしい?アイツがか?」
「はい」

ルシフェルは考え込む。ミカエルは喜怒哀楽を素直に表現する奴だ。
何かおかしい点があれば、仲が悪いとはいえ自分にも分かるはずだ。

「どの様におかしいのだ?」
ハニエルは答えづらそうに眉を寄せた。
「どの様に、といわれましても・・・・。何を言っても上の空という感じで・・・・」
どうにも歯切れの悪い返答だ。ハニエル自身もどこがどうおかしいのか良く分かってない様だ。
恐らく感覚的なものなのだろう。
しかし、ミカエルは普段から人の話は聞かないが、ハニエルの話だけは聴く。
それを聞いていないのはおかしい。

「一体いつからそんな状態が続いている?」
「エタニティースペースを出て間もなくです」
丁度、ガブリエルがおかしくなった頃合い。何か関係があるのだろうか?

 

しばらく経って、ミカエルがルシフェルたちの方へ戻ってきた。

「何を話していた」
少し険のこもった口調でルシフェルはそう告げた。
いつものミカエルなら、殴りかかってきてもいい状況だ。
「別に。・・・・ただの立ち話さ」
しかし、答えたミカエルは普通通りで。いや、何時も通りよりも静かに、冷静に答えた。

「ミカエル、質問に答えろ」
「何でもない内容だ。興味も湧かねぇ様な話」
ハニエルの言葉にもサラリと返し、階段通り下りていくミカエル。
黙って見送る二人に、ミカエルは そうそう、 と振り返って言った。

「余計なことはするんじゃねぇぞ?特にこれから始まることの邪魔はな。これは革命だ。
 世界を創り変える。邪魔はさせない・・・・絶対に、な」

ミカエルは笑った。ガブリエルと同じ種類の笑み。その目に感情はなかった。
 

 

 

 

 

     後書きという名の言い訳     .

ここまでお付き合いくださり、有難う御座いました。

 

4.天地創造 でした。
ミカエルひいきで御免なさい。
私的設定をupしていないので分かり辛いかもしれません。
近々私的設定をupできたら良いな…。

とりあえず、ミカエルとガブリエルは同種のリミッターが入っています。
私は十賢者設定と天使設定が混同しているようで、ミカエルが弱いのはどうも納得いかなくて。
あ、でも最終的に一番強いのはガブリエルです。
ハニエルやルシフェルも細かく設定をしてはいるんですが…。