体が火照ってしまう、魔物の巣食う鉱山
今日もそこで、悪魔たちの楽しそうな談笑が聞こえてくる…  

 

ある日の彼ら

 

 

フーガは身軽な動きで攻撃を避けた。
 「今日はアレだな。敵さん、気合が入ってるよな」

 「喋って気ぃ抜いてんじゃねぇよ!!」
フーガへの攻撃を盾で防いだゼルが怒鳴る。

 「ファイア!」
2人を援護しているディスーラは笑みを浮かべた。
 「仲が良いよなぁ…」
 「マジで?」
 「あり得ねぇ!」
2人の反応はほぼ同時。

反応を楽しそうに見ながらディスーラは敵に止めをさす。
血飛沫を上げながら倒れた敵はすぐにアイテムに変わる。

今回ゼルの制約は「お金を沢山拾う」。
フーガは「ダメージを与える」、ディスーラは「ダメージを受けない」。
それぞれが制約を忠実に守っていたのだが…。

 「あー、てめぇ!!」
 「何だよ?」
 「何金拾ってんだよ! 今回はぜ・ん・ぶ! 俺のなんだよ!」
 「うわ、ごめん!」
今にも殴り掛かって来そうなゼルに、フーガは必死に手を合わせる。

 「悪かった!」
 「ふざけんな! お前、ダンジョンでたら浣腸だからな!」
 「えぇ!!?」

クリスタルゲージを持ったディスーラは首をかしげた。
 「前言撤回…かな?」

 

 

 

 

 

あぁだ、こうだ言いながら三人は一番奥、オークキングが待つ部屋へとやってきた。

 「よっしゃ、片手で捻ってやろうぜ! な、ディスーラ!」
 「うん、まぁ…ねぇ…?」
問い掛けられたディスーラはスイッチが入ったように、残忍に微笑んだ。

 「…怖」
その冷たい笑いを見たフーガは身震いをした。
 (よくゼルはあの笑いを普通に見てられるよなぁ…)
フーガはゼルの豪胆さに感心しながら戦況に目を移す。

 「フーガ、早く雑魚を片付けて!」
ディスーラの怒鳴り声に呼応するようにゼルが必殺技を撃つ。
必殺技の反動で一瞬動けなくなったゼルに敵の攻撃が迫る。
そこに、すかさずディスーラの強烈な魔法が援護した。

 「サンキュ!」
 「ゼル、良い感じだね」

そう言い合っている所にフーガが駆けて来る。
 「俺って蚊帳の外?」
 「シカトされたくなきゃ戦え!」
 「二人とも前線行ってよ。 僕の制約じゃ無理だからさ」
ディスーラに促され、二人がぎこちなく連携を取る。

 

 

やがてフーガの一撃を受け、オークキングは倒れた。
奥の間に進み、ミルラの雫をゲージにためる。

丁度、タイミングを図ったようにモーグリがやってきた。
 「お疲れ様クポ!」
その声を聞いたゼルが目を見開く。
 「テメ、ぜってー図ってるだろ!? 焼きモーグリにするぞ!?」
 「助けてクポ! お手紙届けに来ただけクポ!」
モーグリは助けを求めるようにフーガの後ろに隠れて手紙を渡す。

 

手紙のないディスーラとゼルは床に座る。

 「それにしても、今日は面倒な制約だったな」
呆けていたディスーラは目を瞬かせる。
 「へ? ごめん聞いてなかった」
 「おい」
少し呆れた顔で見つめたが、本気で聞いていなかったらしい。

諦めてもう一度言う。
 「だから。 お前の制約は面倒だったよなって話し」
あぁ、とディスーラは考え込む。
 「でもそんなに大変じゃないよ? 君ら2人が喧嘩しなければ」
 「…う…」
腹黒い顔を見つめながら言い訳を試みる。
 「しょうがないだろ。あいつって真面目に戦わないじゃん」
 「まぁね」
2人で話していたところにフーガが割って入る。
 「何ナニ? 何の話?」
二人は笑いながら立ち上がり、ダンジョンの入り口に進む。
 「あ、おい! 何の話してたんだよ!?」
 「関係ないだろ」
 「気にしなぁい」

三人は笑いながらダンジョンを後にした。
彼らの歩いた道には魔物たちの死体。

 

 

魔物たちは思う。
彼らこそ。
笑いながら死体を増やしていく彼らこそ。
恐るべき存在ではないのか、と。
 

 

 

 

 

 

 

 

     後書きという名の言い訳     .

長々とお付き合い下さり、有り難う御座いました。

FFCCの小説です。
プレイ中の我々の会話からこの小説が生まれました。
ゼルの「浣腸」発言は、プレイしていた くまさんが本当に言ったことです。
フーガプレイの姉上、浣腸されてね(酷)

また機会があれば書きたいですね。
どうしようもない駄文でした。